これは、2007年に初めて作った第1号です。既成のTシャツを2枚重ねて、ぐるぐる縫って切って出来上がりました。
それまで主に金属の作品を作ってきた私にとって、布という素材は新鮮でした。
柔らかくて、様々な色が使える。その面白さに次々とアイデアが湧いてきて、たくさんたくさん作りました。
それから4年後の2011年、イケムラハルミと2人で始めたのが、桜坂楽布堂です。

私たちは、手仕事を大切にしています。
ミシンワークやカッティングから生まれる立体的な布の質感は、量産が出来ないので作る数も限られますが、かけた時間の分だけ存在感のあるものになります。
けれど、服は実際に人が着て完成するもの。それ自体が魅力的でありながら、着る人を一層引き立てるものでなくてはなりません。
そして、着ていて楽で、気分がよくて、お手入れも簡単な服。
理想のハードルは高いですが、そんな服を目指して創作しています。
ヤナギダ クミ

ヤナギダ クミ
東京芸大美術学部工芸科卒
同大学院修了
企業デザイナーを経た後フリー

イケムラ ハルミ
バンコクでの駐在の後、2010年まで東京都内でギャラリーショップを経営